ステロイドパルス療法とは

ステロイドパルス療法とは、ステロイドの持つ炎症を抑える効果を利用した治療法で、一定期間集中的にステロイド剤を投与するものです。パルスとは、名前の通り振動や波動などの意味を持つことばで、ステロイド剤を投与する期間と、薬を休む期間を周期的に繰り返すことから、ステロイドパルス療法と呼ばれています。


ステロイドパルス療法は1969年、腎移植後の急性拒絶反応を抑制する目的で使用されたのが始まりだといわれています。ステロイド剤を通常の投与量以上に、短期間に大量に投与するステロイドパルス療法には、危険な状態からの緊急脱出をはかるという目的があります。


ステロイドパルス療法は、全身性エリテマトーデス(SLE)や多発性筋炎(PM)、関節リウマチ、間質性肺炎、ネフローゼ症候群、川崎病などの治療に用いられます。


ステロイドパルス療法では、通常メチルプレドニンという薬剤を3日間点滴投与し、治療効果をみながら1~3週間ごとに繰り返す方法が用いられます。
このように、炎症や免疫が関係する難治の病気治療にもちいられるステロイドパルス療法ですが、不眠になったり血圧が上がったり、またステロイドの持つ免疫を制御する作用によって、逆に感染症に対する抵抗力が低下するなどの副作用の可能性があります。